Q1. 新しい教科書の中で「算数的活動」をどのように表現していますか?
Q2. いつも,授業では扱う素材で困っています。新しい教科書ではどんな観点で素材を選んでいるのですか?
Q3. これから算数の時数が減ります。それにともなって基礎・基本が重要になると思いますが,新しい教科書の中でどのように扱っていますか?
Q4. 個性の重視といいますが,新しい教科書では具体的にどのような場面で一人一人の個性を生かすことができるのでしょうか?
Q5. 場面で一人一人の個性を生かすことができるのでしょうか?
Q6. 新しい教科書では,国際理解や情報教育,環境教育は算数の中でどのように扱っていますか?
Q7. 新しい教科書では,他教科を意識した扱いはしていますか?
Q8. 新しい教科書では,子どもが学校や家で自学自習ができる配慮がしてありますか?
Q9. 2002年から台形の面積は扱ってはいけないのですか?
Q10. 円周率は「3」になるのですか?
| Q1. |
新しい教科書の中で「算数的活動」をどのように表現していますか? |
これまでの教科書でも,従来から作業的・体験的な算数的活動を数多く取り入れてきましたが,新しい教育課程を迎え,「活動」を特段に重視して編集をしました。1つは,「計算について考える」ことに象徴的に現れている追究的な学習場面を入れたことです。もう1つは,計算の問題作り,物作り,生活の中から算数を見つけるなどの活動を通して,個々の児童の考え方や学習結果を友だちと認め会い,その違いを発見していくことで,新たな学習意欲が喚起される場面を入れたことです。新しい教科書では,該当のページの端に赤と青の色帯をつけています。
| Q2. |
いつも,授業では扱う素材で困っています。新しい教科書ではどんな観点で素材を選んでいるのですか? |
やはり,まず,子どもにとって身近なことが第一だと考えられます。そのためには,生活場面から課題を提示し,それを数理的にとらえ直すことによって解決していく学習を通して,数理的な処理のよさを実感させることが必要です。また,生活への適用の場面を入れることも必要になってくるでしょう。そこで,新しい教科書では,導入は,各学年の児童の身のまわりから素材を見つけ,興味や関心が持てるようにしています。また,特設ページの「見つけよう」「学校をしろう」では,生活の中から単位を見つけたり,学校にあるものを数えたり,測ったりするなど,生活の中に算数を見つけたり,生かしたりできるようにしました。さらに,「チャレンジ」や「囲み」などでは,学んだことを生活や遊びの場面に活用することで,算数のよさを実感させ,ますます意欲的に学習できる配慮をしています。
| Q3. |
これから算数の時数が減ります。それにともなって基礎・基本が重要になると思いますが,新しい教科書の中でどのように扱っていますか? |
2002年から使われる新しい教科書では,学校五日制に向けた教育課程に配慮し,1年112時間,2年148時間,3年142時間,4〜6年143時間での学習が可能なように内容を精選重点化し,構成しています。また,基礎的・基本的な内容については各ページの下にそのページの学習内容に対応した練習問題を載せ,十分な習得ができるようにしています。量としては児童の負担にならないように必要最小限のものにとどめてありますし,「まとめ」では,その単元の基礎的・基本的な考え方の習得を確認する問題を入れるようにしました。そして,習熟が必要な内容については,鉛筆マークの問題以外にも「練習問題」をつけ,繰り返し練習できるようになっています。さらに,単元や学年をこえて,繰り返し練習ができる「計算の力をつけよう」で計算の習熟が図れるようにしました。
| Q4. |
個性の重視といいますが,新しい教科書では具体的にどのような場面で一人一人の個性を生かすことができるのでしょうか? |
計算の問題作り,物作り,生活の中から算数を見つけるなどの活動を通して,個々の児童の考え方や学習結果を友だちと認め会い,その違いを発見していくことで,新たな学習意欲が喚起される場面が考えられます。具体的には,新しい教科書では,個性は一人一人違いがあり,解決へのアプローチもさまざまであることを考え,また,他の考えがあることを知り別の方法を考え出すきっかけとするために,「○○さんの考え」を取り入れています。また,囲みやチャレンジなどをはじめとする「作品作り」では,個性に応じた活動ができ,意欲を育むことにも配慮しました。
| Q5. |
これからの評価はどのようにしたらよいのでしょうか? |
評価の観点としては,これまで通り,考え方,表現・処理,知識・理解が中心になるでしょう。これに加えて,これからは基礎・基本がどれだけ身についているかを把握することが重視されてきます。そこで,教科書では,評価に対応した問題を配列するとともに,その単元の基礎・基本の評価もできるようになっています。また,「チャレンジ」では,関心・意欲・態度の評価ができるようになっています。さらに,4年以上の「復習」「○年のまとめ」では,自己評価・自己学習ができるように配慮しています。
| Q6. |
新しい教科書では,国際理解や情報教育,環境教育は算数の中でどのように扱っていますか? |
これら3つの課題は,子どもにとってはいずれもあまり身近なものとはいえません。これをいかに身近なものとするかは素材の味つけひとつです。たとえば,わり算の単元で「いろいろな国のわり算のしかた」を紹介することによって,わり算にいろいろな方法があることを知るばかりでなく,計算についての考え方に触れることを通してその国の文化に触れることにもなります。また,これからの情報教育は,ただ画面を見せるだけでなく,子どもが自分で調べたり処理したり試してみたりできる場が必要になります。そして,環境教育の視点では,ゴミを素材にした統計的な分析,単位量あたりの大きさや比例を使って社会現象を分析するなどして,自分の生活や地球の将来を考えるという視点で扱うようにするとよいでしょう。
| Q7. |
新しい教科書では,他教科を意識した扱いはしていますか? |
単元配列や素材の選択の中でできます。教科書の中で具体例を挙げますと,まず,単元配列では,他の教科での利用性の高いもの(3年「表とグラフ」,4年「しりょうの整理」など)については,早期に学習することができます。さらに,他教科との関連を図ることによってより算数のよさ・有用性が理解されるとの考えから,地図作りなど他教科の題材を取り入れるよう配慮しています。
| Q8. |
新しい教科書では,子どもが学校や家で自学自習ができる配慮がしてありますか? |
新しい教科書では,各学年の指導内容を詳細に分析し,基礎・基本の内容を明確にして,系統的・発展的に配列しています。また,各単元を学習する上での既習事項を分析し,必要に応じて単元の前に「計算の力をつけよう」「思い出してみよう」を設定してレディネスのチェックができるようになっています。また,本文は,ていねいな記述で児童が学習後に読んでわかることをねらい,意欲的・主体的に学習できるように自主学習ができる配慮もしています。さらに,重要事項は,教師が教えること(全身博士マーク),用語など(顔博士マーク),児童が活動を通して獲得すること(キャラクターマーク)に分けて,目立つようにしました。
| Q9. |
2002年から台形の面積は扱ってはいけないのですか? |
台形の面積公式「{(上底)+(下底)}×(高さ)÷2」は,教科書の紙面からは消えます。ただし,これは,公式を暗記するという負担を軽減する目的で,台形という四角形の面積を求める活動は残ります。単に公式を暗記するのではなく,自分なりに工夫して面積を求める活動を通して子どもたちは算数的な思考力を高めていくことができます。
円周率の定義のところでは,これまで通り「3.14」です。ただし,新しい学習指導要領では小数の乗法は小数第一位×小数第一位しかあつかってはいけないことになっています。したがって,教科書では,円の面積や円周を求めるときに「3.14」をふくむ計算は電卓を使うよう指示しています。ただ,小数第二位の乗法の筆算を指導することは先生方の裁量に任されています。
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